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Image by Carl Wang

​世界の国の防災を知ろう

世界の防災は、どの国でも同じではありません。
それは単に技術の差ではなく、それぞれの国が置かれている

気候・国土・文化の違いによって、防災の考え方そのものが変わるからです。

例えば、日本のように地震が頻発する国では、建物の耐震構造や避難訓練が重視されます。

一方で、洪水が多い国では堤防やダムといった水を制御するインフラが発達し、雪崩が多い地域では予測と回避が中心になります。

さらに、防災は単なる技術ではなく、人々の価値観にも深く関わっています。
「自分の命は自分で守る」という考えが強い国もあれば、国や地域が一体となって守る体制を重視する国もあります。

また、過去に大きな災害を経験した国ほど、防災意識が高まり、

その教訓が制度や文化として根付いていきます。

つまり、防災とは「災害にどう対応するか」だけではなく、
その国が自然とどう向き合い、どう生きているかを表すものなのです。
防災の違いは、その国の“生き方の違い”そのもの。

Image by Afif Ramdhasuma

​首都移転をするインドネシア

インドネシア の首都ジャカルタは、世界でも特に沈みやすい都市の一つとされています。
その原因は、海抜の低さに加え、地下水の過剰な利用による地盤沈下です。

実際に、場所によっては年間数センチ以上沈んでおり、洪水や高潮のリスクが年々高まっています。

この問題に対してインドネシア政府が選んだのは、堤防強化だけではありませんでした。
それは、首都そのものをボルネオ島に移転するという、世界でも前例の少ない大規模な政策です。

新首都「ヌサンタラ」は、自然災害リスクが比較的低い地域に建設され、持続可能な都市として計画されています。

この取り組みは、単なる都市開発ではなく、将来の災害リスクを見据えた長期的な防災戦略でもあります。

つまりこれは、「災害に耐える」のではなく、
“リスクの少ない場所へ移動する”という根本的な発想の転換です
https://www.worldbank.org/en/news/feature/2022/08/26/indonesia-new-capital-city

インドネシア新首都公式
https://www.ikn.go.id/en

Image by Thomas Bormans

​オランダ

オランダ は国土の約3分の1が海面より低く、古くから洪水との戦いを続けてきました。
そのため、防災は国家の最重要課題の一つとなっており、世界でもトップレベルの水管理技術が発展しています。

代表的なのが「デルタ計画」で、巨大なダムや防潮門によって海水の侵入を防ぎ、高潮や洪水から国土を守っています。

システムは数百年に一度の規模の洪水にも耐えられるよう設計されています。

しかし近年では、「水を完全に防ぐ」という考え方から進化し、
水を受け入れながら被害を減らす「ルーム・フォー・ザ・リバー」という考え方が広がっています。

これは、川の氾濫を完全に止めるのではなく、あらかじめ水があふれる場所を設計することで

都市への被害を減らすという発想です。

Image by Valdemaras D.

​ノルウェー

ノルウェー は山岳地帯が多く、冬になると雪崩の危険性が高まる国です。
そのため、防災の中心は「発生してから対応する」のではなく、
事前に予測して回避することにあります。

ノルウェーでは、政府機関が気象データや積雪状況をもとに雪崩の危険度を分析し

毎日情報を公開しています。

これにより、住民や登山者はリスクを事前に把握し、危険な行動を避けることができます。

また、雪崩防止柵やトンネル、道路の閉鎖などのインフラ対策も行われており、

人の命を守る仕組みが多層的に整備されています。

さらに特徴的なのが、あえて雪崩を発生させる“コントロール雪崩”という対策です。

これは、雪が大量に積もり危険な状態になる前に、爆薬などを使って人工的に雪崩を起こし、

小規模な段階で雪を落とす方法です。

自然に任せて大規模な雪崩が発生すると、住宅や道路、鉄道に大きな被害が出る可能性があります。
しかし、事前に人の管理下で小さく崩しておけば、被害を最小限に抑えることができます。

https://www.nve.no/

https://www.varsom.no/en/
https://www.avalanches.org/

Image by Anthony Lim

​シンガポール

シンガポール は国土が小さく、川や地下水などの自然な水資源が限られています。
さらに長年、隣国からの水の輸入に依存してきたため、

水の確保は単なる生活問題ではなく、国家の安全保障そのものでした。

この課題を解決するために開発されたのが「NEWater」です。

NEWaterは、生活や工業で使われた水を回収し、
高度な処理によって再び飲料水レベルまで浄化するシステムです。

現在では、このNEWaterは国内の水需要の**約40%**を支えており、
将来的にはさらに割合を増やす計画も進んでいます。

また、ただ作るだけでなく、
一般公開施設を設けて市民が直接見学できるようにすることで、
再生水への不安を減らし、社会全体で受け入れる仕組みも作られています
https://www.pub.gov.sg/watersupply/fournationaltaps/newater
https://www.gov.sg/article/water-for-all-conquering-water-scarcity-with-newater

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